おっぱい ママの病気・健康 教えて!ドクター
乳がんは日本人女性にできるがんの中で最も多く、人に1人が乳がんになる確率です(図1)。乳がんは歳代から発症し、〜歳が最もなりやすい年齢です。誰がなっても不思議はありませんから、歳を過ぎた女性は普段から気をつけることが必要です。
乳がんになりやすい女性の特徴としては、以下の点が挙げられます。①血縁関係の女性(母親や姉妹など)に乳がんになった人がいる、②出産していない、③最初の出産が35歳以降である、④授乳経験がない、⑤初潮が11歳以下、あるいは閉経が55歳以降、⑥閉経後で太っている、⑦アルコールを飲む量が多い。このような女性は乳がんになりやすいと考えられますから、特に注意しましょう。
乳がんは“しこり”として触れることが多く、自分で見つけることも可能ですから、さっそく始めてください。月1回、生理が終わった時期に乳房の自己検診を行ないます。まず、鏡の前に立ち両腕をあげ、左右の乳房が対象か、ひきつれや変形、乳頭の陥没がないかチェックします。次に、仰向けに寝た状態で手を広げて乳房の上に置き、軽く力を加えて指のはらを滑らせるようにして調べます(図2)。右手で左の乳房を外側から内側に滑らせ、上から下へ位置をかえて繰り返し、乳房全体をチェックします(図3)。右の乳房も左手を使って行ないます。もし、しこりがあれば周囲とは違って固まりとして触れるか、手に抵抗を感じます。最後に腋の下にしこりがないか(リンパ節の腫れで乳がんがみつかることがあります)、乳頭から分泌液が出ないか確かめます。
乳がん検診には医師による触診に加え、マンモグラフィーやエコー(超音波検査)による検診があります。マンモグラフィーは乳房を圧迫して撮影する検査なので多少痛みを伴いますが、通常我慢できないくらい痛いことはありません(図4)。この検査ではしこりの状態のがんだけでなく、石灰化(白く小さな点として写ります、図5)をおこした微小ながんを発見することが可能です。ただし、若い女性(40歳未満)では乳腺が発達しているために不向きです。一方、エコー検査ではゼリーを塗り、探触子と呼ばれる器具をあてて乳房を調べます。年齢に関係なく若い女性にも向いており、痛みもありません。この検査はしこりのがんを見つけるのに優れていますが、石灰化を見つけにくいのが欠点です。
市町村による乳がん検診では通常40歳以上の女性を対象に、2年に1回マンモグラフィーを行なっています。企業にお勤めの女性では、職場の検診で受けることになりますので、それぞれの機関によって内容は異なります。40歳未満の専業主婦の場合は、ご主人の職場の検診を利用して受けるか、ご自身で検診を受けることになります。マンモグラフィーとエコーのどちらがいいか、というご質問を受けますが、それぞれ得意としている点がいますから比較はできません。40歳未満の女性にはエコーが向いていると思われますが、市町村では行なっていませんから、ご自身あるいは職場で受けることが必要です。マンモグラフィーでは石灰化をおこす微小な乳がん(極めて早期の乳がんのことが多い)を発見することが可能ですから、しこりがなくても40歳を過ぎた女性は是非検診を受けてください。
自分だけは乳がんにならない、という過信は禁物です。どの女性が乳がんになっても不思議はありません。30歳を過ぎたら自己検診を始め、40歳を過ぎたらマンモグラフィー検診を受けることが重要です。もし何か異常を感じた場合には、必ず乳腺を専門としている病院やクリニックを受診してください。しこりのすべてががんではありませんが、自己判断は危険です。乳がんは早期の段階で見つければ治すことが可能です。普段から自己検とマンモグラフィー検診で早期発見に努めましょう。気になることがあれば勇気を持って専門機関を受診してください。
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