感染症 子どもの病気 教えて!ドクター
子どもの病気の多くは感染症といって、人から人にうつる病気です。特に熱や咳、鼻水などはほとんどがウイルスによる感染症です。これを一般的に風邪と言っているわけです。子どもは免疫という「体を守る力」が十分にないので、風邪をひくのは当たり前のことです。熱が出たとき、咳がひどいときにはびっくりしますが、乳幼児は色々な感染症をもらって、免疫を作らなければならないのです。
風邪のウイルスが体の中に入ると、鼻やのどで一気に増えます。ほとんどのウイルスは平熱くらいの体温で一番活発ですので、体は自然に熱をあげて、ウイルスが増えないようにしているのです。鼻汁や咳も、基本的にはウイルスを追い出すための反応と思ってください。
こうやって徐々にウイルスが体の外に出て行って、病気が治っていきます。しかし、体がウイルスと戦っているあいだ、ウイルスはすごい数に増えていますので、他の免疫のない子どもにうつしてしまうことがよくあります。
病気が治るということは、まずは体が元気になることですが、保育所や幼稚園に通っている子どもさんは、他の子どもたちにあまりうつさなくなることも「治る」の中に含まれるのです。
風邪をひいたときには、保育所や幼稚園を休ませますね。免疫力を高めるためには、安静にして、できるだけ水分や栄養を取ることです。そのためには、家庭でお母さん・お父さんが看てあげるのが一番です。
風邪以外でも、感染力の強い病気や、学校保健法の指定伝染病になっている病気に関しては、集団の中での病気の広がりを最小限にとどめることも、休ませることの目的の一つです。共働きの家庭ではお休みすることは大変ですが、感染を防ぐことは子どもに集団生活をさせる上でのエチケットなのです。
しかし、伝染する病気は全て休ませなさいというわけでもありません。感染力が弱かったり、感染しても大きな健康被害がないと考えられる場合には、出席を停止させなくても良いものもあります。こういった病気は、治らなくても、登園させても構わないと考えられています。
表は子どもがよくかかる病気の登園・登校のめやすです。保育所や幼稚園によっては、治ったということを証明する「治癒証明書」を書いてもらってくるように指示されることもあります。面倒ですが、それだけ園の中での感染に気を遣っているということです。きちんと指示に従ってください。今は、仕事を休めない保護者のために、病気の子どもでも預かってくれる病児・病後児保育室が各地にできつつあります。どうしても仕事を休めなければ、利用されても良いでしょう。
表にある病気の中で、はしか、ふうしん、みずぼうそう、おたふく、百日咳は、予防接種で防ぐことができます。予防接種を怖がる人もいますが、子どもの立場になれば、病気になって苦しむより、予防接種で病気を防いでもらった方がずっと楽でしょう。また、子どもがこのような病気になると、長い間保育所や幼稚園を休まさなければなりません。他の子どもへうつる原因となってしまうのです。
防ぐことのできる病気は、できるだけ防ぐ。これは、子ども自身のためでもありますが、子どもをとりまく社会全体のためでもあります。予防接種ができる年齢になれば、できるだけ早く接種しましょう。
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