おちんちん 子どもの病気 教えて!ドクター
もともと、赤ちゃんがおかあさんのお腹の中にいる時、おちんちんのタマ(以下精巣)はおちんちんの袋(以下陰嚢)の中にあるわけではなく、お腹の中にあります。それが下降し、陰嚢内に固定されるのです。その過程が何らかの原因で障害され、陰嚢底部まで降りてないものを、停留精巣といいます。
お腹の中は陰嚢内に比べて温度が高く、精巣が精子をつくる環境としてよくありません。また、お腹の中にある精巣は、悪性化(癌化)する可能性が、しっかり陰嚢に降りている精巣に比べて数十倍高いといわれていますが、お腹の中に残したままだと、悪性化しても気づかれない恐れがあります。そのため、まず精巣がどこの場所にあるかを調べ、降ろしてあげる必要があります(場合によっては降りてくる過程でなくなってしまっていることもあります)。生後9ヵ月〜1歳を過ぎたころから手術を考えます。
お風呂に入った後など、リラックスした時でも陰嚢内に精巣が触れない場合は、小児科か小児外科を受診し相談することをお勧めします。
おちんちんの先を包む皮膚(以下包皮)の口が狭いために、包皮をむこうとしてもおちんちんの先(亀頭)を出せないものを真性包茎といい、亀頭が包皮でかぶってはいるものの、むけば亀頭が出せるものは仮性包茎といいます。
生まれたばかりの赤ちゃんはほぼ100%真性包茎です。年齢が上がるに従ってだんだんと少なくなりますので、無理にむく必要はありません(無理にむくと、戻らなくなってしまったり、傷を作ってかえって狭くなる原因になることがあります)。小児の包茎は病気ではなく、生理的な状態と考えてください。
しかし、真性包茎が原因で、包皮炎(包皮の中に垢がたまって感染を起こし、赤く腫れあがったり痛みを訴えたりすること)を繰り返している場合などは、治療が必要です。また、尿路感染症の原因が真性包茎によるものと考えられた場合も、治療の対象となります。
一般的に治療は必要ありませんが、前述のような症状がある場合、治療が必要です。保存的療法と、手術療法があります。社会的・宗教的な理由で家族が手術を強く希望する場合でなければ、まずは保存的療法を考えます。無理がない程度に両親や本人に包皮を少しむいてもらい、ステロイド入りの軟こうなどを塗る方法が一般的になってきています。毎日続けると、だんだんと包皮が軟らかくなり、むけやすくなります。
手術療法としては、 ”環状切開術“ といって、包皮を環状に切り、切った包皮の内側と外側を円周上に縫い合わせる方法が一般的です。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう