歯 子どもの病気 教えて!ドクター
かわいいお子さまの歯を、むし歯を作らず、歯で痛い思いをせず、歯医者さんで歯を削られることなく、一生過ごせたらどんなにすばらしいことでしょうか。平均的には、3歳児で約50%、5歳児になると80%以上のお子さんにむし歯ができてしまいます。これだけ生活水準の高い国に住みながら、多くの方々がいまだにむし歯で苦労しています。きっと読者のお母さまも歯で痛い思いをしたり、歯医者さんで嫌な思いをされたのではないでしょうか。むし歯は作らなければ、歯が痛むことも、治療したつめ物がはずれることもありません。歯医者さんで歯を削られることもありません。
むし歯予防で一番大切なことは、食べ物にあります。赤ちゃんは、離乳の時からいろいろな食べ物の味を学習していきますが、食べ物の味は、甘味・辛味・酸味・苦味という4つに大きく分類されます。この中で、赤ちゃんがおいしいと感じるのは、甘い味です。離乳の時に、ジュースやおかしなどの甘いものを与え過ぎますと、苦味のある野菜や、酸味のある果物をとってもらいにくくなります。手に持ったものを何でも口に入れる時期に野菜を食べるトレーニングをしてもらうと、ピーマンでもセロリでも何でも食べる野菜好きのお子さんに育つ可能性が高くなります。野菜好きのお子さんには、まずむし歯はできません。
逆に、甘味嗜好の強いお子さんに育つと、甘味の強いものしか食べられなくなる恐れがあります。特にお子さまのむし歯で一番原因となっているのが、ジュースであると実感しています。清涼飲料水の約10%はお砂糖だと思ってください。ジュースを飲む習慣がついてしまいますと、歯で一生苦労しますので、ジュースはなるべく買わないように心がけてください。のどが渇いたら、お茶かお水を飲む習慣を小さい頃からつけさせてください。
それから、もう一つ気をつけていただきたい食べ物が、アメです。これも習慣になりやすく、いったん味を覚えてしまいますとやめるのが困難になります。アメも、そのうちどこかでもらってきて味を覚えることになると思いますが、なるべくその時期を遅らせてほしいと思います。アメが食べ物という認識のないお子さんは、アメを欲しがりません。
むし歯の原因は、「砂糖のとり過ぎ」にあります。野生の動物には、歯をみがかなくても、むし歯はありませんが、家で飼っている犬にはむし歯ができます。むし歯や歯周病は、文明病とも言われますが、お子さんにはなるべく自然に近いものを食べさせることが、歯だけでなく、体にもいいことだと思います。乳幼児期のむし歯予防は 甘味に偏らない味覚の学習がもっとも重要であることをぜひ知っておいてください。
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