おたふく 予防接種 教えて!ドクター
おたふくかぜはムンプスウィルスの飛沫感染でうつる病気です。2〜3週間(平均18日間)の潜伏期の後、片方または両方の唾液腺(耳下腺や顎下腺)が腫れて痛みます。唾液腺の腫れは7日〜14日間ですが人に感染させる期間は腫れる3日前から腫れている間中続きます。でも実はムンプスウイルス感染で唾液腺を腫らすのは70%で、30%はおたふくかぜと気づかれないのです(不顕性感染)。
侵入したウイルスは‘のど’の辺りの粘膜上皮やまわりのリンパ節で増殖して血流に入り全身をめぐります。表に示すように全身の感染症を引き起こす、たちの悪いウイルス感染症なのです。
世界的にはMMR(麻しん・おたふくかぜ・風しん)ワクチンの少なくとも2回定期接種が標準とされているので、おたふくかぜの流行は見られなくなっています。しかし日本ではおたふくかぜワクチンは任意接種であるため、30%〜35%と接種率が低く、未だに3〜4年周期で流行が見られるのです。4歳が最も多く、2〜6歳が発症者の約70%を占めています。最近は子どもから母親、父親や保育士に感染して発症する例があります。
おたふくかぜ合併症により毎年数百人から1000人近くの難聴患者が発生しています。この難聴は重症で現代の医学では治すことができません。大人になって罹ると難聴だけではなく、めまいや耳鳴りをともない、日常生活に支障をきたすこともあ ります。
妊娠14週までの妊婦が罹ると1/3の人が自然流産するといわれていますし、思春期以降の男性が罹ると不妊症の原因となる可能性が高くなります。
以上の事態を防ぐにはおたふくかぜ(ムンプス)ワクチン接種しかありません。
ムンプスワクチン済みの方は数日家で安静にしていれば良くなります。
ムンプスワクチン未接種の場合、ひどくなることもあります。熱や痛みに対して薬を使います。腫れている間は学校・幼稚園・保育所等へは行かれません。
食事ではすっぱいものや硬いものは痛くて食べられません。梅干を見せただけで唾液腺が活動してキュ〜ッと痛みが起こります。ミルク・ポタージュ・おかゆ・ゼリー等のど越しの良い食べ物がよいでしょう。
高熱が長く続いたり頭痛が治らず嘔吐する時などにはかかりつけの先生に相談してください。
おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンはムンプスウイルスを弱毒化して作られた生ワクチンです。定期接種の対象にはなっていませんが保育園などの集団生活をおくっている子どもでは満1歳を過ぎてMR(麻しん・風しん)ワクチンの接種が済んだら続けて接種を受けましょう。妊娠中の女性以外おとながワクチン接種を受けても問題はありません。
ワクチン打っておたふくかぜ撲滅!!
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