皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
一般に、乳児検診などで「乳児しっしん」と言われる場合がありますが、実は「乳児脂漏性湿疹」のことを言っている場合が多いようです。生後2〜3週間から6ヵ月ごろの赤ちゃんの顔や体によく見られます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、ママのおなかの中にいたときにもらったホルモンの影響により、皮脂を分泌する皮脂腺の働きが活発になっています。季節に関係なく皮脂線の多い頬や口のまわり、あご、生え際やおでこ、頭を中心に赤いポツポツがでたり、カサカサしたり、ときには少しジュクジュクすることもあります。髪の毛の生え際や眉毛などに黄色いふけや脂っぽいかさぶたのようなものがつくこともあります。
「先生!うちの子アトピーかもしれません!」といって頭や、顔面に湿疹の出ている赤ちゃんを連れてこられますが、そのほとんどは、後で示します「適切なスキンケア」をすることによって症状は改善されます。
①汗をよくかきますので着替えをよくしましょう。
②汗を吸い取る木綿の服を着せてあげてください。
③おふろでは手の指の柔らかい部分で体を洗ってあげましょう。石けんは十分に泡立てて使ってください。特に顔まわりは海綿を使うといいでしょう。絶対にガーゼでゴシゴシこすらないでください。
④石けんは添加物の入っていない「石けん素地のみ」のものを使うようにしましょう。「赤ちゃん用」「肌にやさしい」なんて言葉に惑わされないようにしてください。
⑤入浴後には、症状に応じて医師から処方された塗り薬を使いましょう。勝手にワセリンなどを塗らないようにしてください!
⑥爪をよく切って、傷がつかないようにしましょう。できれば専用つめヤスリで「とんがり部分」を無くしましょう。
スキンケアをやってもなかなか良くならない場合も数パーセントありますが、すぐにアトピー性皮膚炎と決めつける必要はありません。
ただし、耳のうしろや、手の関節などが赤くなったり、ジュクジュクした感じになって、かゆみが強く掻きむしって血がでるようになってしまった場合や、明らかに何か食べたものが引き金になって全身に湿疹が出てしまった場合など、症状が落ち着かなくなってきたら早めにアレルギー専門医の診察を受けた方が良いでしょう。
乳児しっしんと同じ時期によく見られるのが「おむつかぶれ」です。おむつのあたる部分の皮膚が赤くなったり、プツプツと小さな発疹ができたりする接触性の皮膚炎のことをいいます。
おむつかぶれの原因はひとつではなく、さまざまな要素がからみ合って起こります。いちばんの原因はおしっこやうんちの刺激ですが、おむつ内の環境も影響します。夏場はおむつの中もあせもができやすく、おむつかぶれかと思ったら実はあせもだったという場合もよくあります。水分の吸収性や通気性、皮膚への刺激などを考えた、質のよい使い捨ておむつ(紙おむつ)を使うことによって症状は改善します。また成長が早い時期ですので、身体の大きさにあった紙おむつを使うようにすると良いでしょう。
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