アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
アレルギーを学問的に定義すると、いろいろと細かい約束ごとがあるのですが、今はいったんそれらをすべて忘れて、毎日数多くの子どもたちを診療している第一線の町医者の立場で考えてみます。
人の体には本来、「なじまないもの」を拒絶しようとする働きが備わっています。人はそれによって長い間、なじんだ食物や環境の中で、健康に安全に暮らすことができました。
アレルギーとは、なじまない(有害かもしれない)食物や環境に対してアラームを鳴らして警戒させる反応であり、なおかつ、体に入った「なじまないもの」を外に追い出そうとする反応です。
アトピー性皮膚炎の浸出液、気管支喘息の咳や痰、花粉症の鼻水や涙、食物アレルギーの嘔吐や下痢など、不快な症状を出すことによって、人をその環境から逃げ出す(改善する)ようにさせ、また、その症状自体が体に入ってしまった「なじまないもの」を外に出す反応と考えると理解しやすくなります。
それでは、アレルギーは体にとって好ましい反応でしょうか?そうとばかりは言えません。アレルギーが病的なのは、本来は拒絶しないでもよいものまでを、異常なほど強く拒絶しようとするからです。その原因こそまた、「なじまないもの」の増加と「なじんできたもの」の不足によって、体の正常な機能が狂わされることによります。まるで悪循環しているようです。
ここ数年アレルギーは急速に増えています。それは、人がかつて遭遇したことがないような数多くの「なじまないもの」すなわち、化学物質やそれの混じった食物、水、空気、土、かつて経験のないような心のストレスなどが、どんどん身の回りに増えており、反対に、今まで「なじんできたもの」すなわち、脂、糖分、刺激物の少ない和食、その中にたっぷり入っているビタミンやミネラルなどの栄養素、十分な休息と心の平安が急速に失われつつあるからです。
4人
2人
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.