感染症 子どもの病気 教えて!ドクター
「川崎の公害病?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、全然違います。
川崎病は1967年(昭和42年)に日本の小児科医師・川崎富作先生によって初めて報告された皮膚症状を伴う発熱する病気でした。当時は病気になってからの後遺症など合併症が無い(予後良好)と思われていました。しかし、しばらくして突然死を起こした患者さんがみつかり注目を浴びるようになりました。今年で報告されて40年目になります。全世界でこの病気の原因追及が進んでいますが、未だに原因が分かっていない病気の一つなのです。なお、現在の研究結果から他の患者さんにうつしたりすることはないですが、流行する様なことがあると考えられております。
川崎病は主に4歳以下の子どもに生じる病気です。急な発熱で始まる事が殆どです。川崎病と疑い、診断をつけるにあたり「主要症状」が必要です。
それは、①5日以上続く発熱、②手足の発赤や腫れ(四肢末端の変化)、③発疹、④目の充血、⑤唇や舌の発赤、⑥首のリンパ節の腫れ、以上6つです。主要症状以外に比較的よく見られる症状(参考症状)としてはBCG接種部位の発赤・痂皮形成(かさぶた)などが有ります。症状の現れ方に決まった順番は有りません。血液検査では診断はつきません。
急性期
主要症状が見られてからの最初の大体一週間を「急性期」と呼びます。通常この時期に診断されて、病院に入院する事になります。入院する事で経過を短くする治療を行えます。ただ、経過中に心臓に合併症を生じ、まれに重症化する方もいますが、殆どの方はある日数を経過すると症状は治まってきます。
回復期
熱が下がり始めてそれぞれの症状が改善されていく時期を「回復期」と呼びます。通常10日から三週間くらいかかる方もいます。この時期の症状として、手足の指先から皮がむける「膜様落屑」が殆どの方に見受けられます。この時期のこの症状で診断がつく方もいます。この頃、心臓の異常が無ければ退院する事が出来ます。
遠隔期
回復期よりあとを「遠隔期」と呼びます。心臓の異常とは心臓を養っている血管(冠動脈)が膨らんだ(冠動脈瘤)場合、新たな治療を行う必要が生じます。それは、退院後でも同じです。また一方、心臓に異常が無ければ、飲み薬は半年以内には必要なく、しばらくの間は定期的な外来通院診察と検査を受けていただきます。
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