歯 子どもの病気 教えて!ドクター
ヒトは本来、自分で口の中をきれいにする自浄作用の働きを持っています。具体的には食べ物を噛むことにより、口の周りの様々な筋肉や舌、あごなどが動き、口の中では唾液がたくさん出て、歯が自浄されていきます。唾液は消化を助けるだけでなく、口の中の浄化にも大いに役立つというわけです。昔から「よだれの多い赤ちゃんは虫歯になりにくい」といいますが、経験的に得られた知識だったのでしょう。
さて、このような正常な口腔機能を獲得するには、赤ちゃんの頃の母乳哺乳にその原点があると考えられます。母乳は赤ちゃんが吸っているのではなく、乳首を触る事により飛び出してくるのです。吸っているようにみえますが、実は噛んでいて、口の周りの様々な筋肉や舌などを力強く使っています。この時点では未熟で未完成の筋肉ですが、将来使われる大切な機能の完成に向けた訓練として重要なのです。
幼児期の食事のしかたによって、口腔内の環境はおおいに影響されます。下のイラストを参考に、歯が生えてくるそれぞれの時期にあわせて、食事の工夫をしてみてください。
3歳になる頃にはようやく口の中が完成されます。丸のみにならないように注意し、多めに噛む練習をしましょう。噛むときは口唇を閉じ、また飲み込む練習も忘れずに。「おくちポカン」にならないよう、必ず口は閉じて噛むようにします。
前歯が上下4本になったら歯ブラシで磨く習慣をつけ、寝る前にはお母さんが丁寧に仕上げ磨きをしてあげてください。
歯が全部揃ったら食事の最後に野菜や果物などシャリシャリ、カリカリの食感のものを1つだけでいいですから30回以上噛むようにします。唾液がたくさん出るだけでなく、繊維質が機械的に口の中を掃除してくれます。ただし、歯の外側と内側は汚れているので、そこを丁寧に磨くようにしましょう。
歯と歯の間の汚れはデンタルフロスを使います。
歯の汚れは見えにくく、実は全然汚れがとれていない場合が非常に多いものです。歯垢染め出し液を使って上手に磨く練習をしましょう。お母さんもお子さんと一緒に練習しながら、磨き残しのないようにするといいですよ。
舌とあごで潰してとけるもの(流動食)を。薄味を心がけ、特に甘いものには注意をはらってください。
奥歯が一本ずつ(片顎)なので、流動食の中に舌で潰せる固形物程度のものを混ぜ、スプーンの使い方や手づかみで食べる練習をしてください。
奥歯が上下2本ずつ対にならないと、まだ赤ちゃんの口の中と変らないため、よく噛めません。まだ、丸のみの形態となります。
やっと口の中が完成されます(完全萠出)。野菜や果物で噛み砕けないものは小さく切り、シャリシャリ、カリカリ噛む練習を兼ねて除々にステップアップを。
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