皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
一般にアザとは色素や血管が皮膚、皮下で増えたもので黒、茶、青、赤などさまざまな色を呈します。ぶつけて出来る皮下出血のような後天的なアザとは区別しましょう。ホクロは母斑細胞という皮膚組織とは別の細胞が増えたもので、平らなものから盛り上がったもの、色も正常から黒までさまざまです。
茶アザ(扁平母斑)
生まれつき薄茶色の斑が見られるもので、顔面から足まで、また大きさも数ミリから数十センチまでさまざまです。その中に黒い点状の色素斑が多数認められるのもあります。
黒アザ(母斑細胞母斑、巨大色素性母斑)
ホクロの大きなもので、数センチから顔面や体の大部分を占めるような巨大なものまであります。巨大なものは悪性化することがまれにありますから注意が必要です。
青アザ(太田母斑、異所性蒙古斑)
前者は先天的、あるいは思春期前後に顔面に褐色の色素斑と青色の点状ないし斑状の濃い色素性病変をきたします。眼球に色素斑を認めることもあります。後者は体幹、四肢などに灰黒色の比較的大きな色素斑をきたすもので、殿部(おしり)から背部にできる通常の蒙古斑(自然消退する)とは区別します。
赤アザ(いちご状血管腫、単純性血管腫)
前者は生後まもなくから点状の赤色斑が出現し、徐々に増大、隆起してきます。1才前後にピークがあり、その後は自然消退すると言われますが大きなものは細かい皺を伴った萎縮性の病変が残ります。後者は赤色ないし紫紅色の隆起しない斑が生下時より存在します。顔面正中部のものは消退すると言われています。
前記のように自然消退するものもありますが、色は消えても見た目が悪いことがありますから、皮膚科できちんと診察を受けて、必要に応じて治療しましょう。基本的にはレーザー治療がほとんどのアザで第1選択になります。扁平母斑・太田母斑、異所性蒙古斑、単純性血管腫、いちご状血管腫は、すべてではありませんが保険適応があります。ただそれぞれ使用する機器は異なりますから、近隣で治療できる施設があるかどうか相談してみてください。黒アザは多くは手術が第1選択になります。特に悪性化の疑われるものは組織を確認する必要があります。一部はレーザーの適応になりますが、治療には保険適応はありません。
小さいうちは痛いことは可愛そうだから、見えないところだから、命にかかわることではないからなどと受診や治療を先延ばしすることも多く見られますが、早めの治療が奏功することが多いです。まずは信頼できる皮膚科などできちんと診断を受け、場合によっては専門医を紹介していただいて治療についての相談をすべきでしょう。
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