耳鼻咽喉 子どもの病気 教えて!ドクター
子どもは夜「すやすや」眠るのが普通です。しかし、約10%の子どもは「いびき」をかくと言われています。寝息が大きいぐらいなら心配いりませんが、激しい「いびき」や就寝中に呼吸が苦しそうな様子があるなら睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
①口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)とアデノイド(鼻の奥にある扁桃の組織)の肥大による気道の狭小化が大部分を占めます。アデノイドが大きいことによって鼻呼吸が障害されると口呼吸を余儀なくされてしまいます。その際に口蓋扁桃が大きいと口からの呼吸も十分にできず、結果として睡眠障害を引き起こすのです。
②アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎(ちくのう)などで鼻づまりがひどい場合も原因になります。
以下に示す症状が2つ以上ある場合は要注意です。
●日中の過度の眠気(ボーッとしていることが多い)
●注意力・集中力低下(落ち着きがない)
●呼吸が荒い、いつも口呼吸をしている
●夜間に激しいいびきをかく(大人顔負けのいびき)
●寝相が悪い(呼吸が苦しいので、楽な体勢を求めて寝返りを頻繁にします:上を向いて眠れないお子さんが多い)
●重症の場合には、陥没呼吸(息を吸う時に通常は胸部・腹部が同時に膨らむが、腹部は膨らむのに胸部が陥没する状態)を起こします。
●「寝る子は育つ」という言葉がありますが、これはまさにその通りです。睡眠中に深い眠りを得ることによって身体の発育を促進する成長ホルモンが分泌されるのです。従って子供が「いびき」や「無呼吸」により睡眠が不十分になるとホルモンの分泌が障害され、成長障害・発育障害をきたすことがあります。
これらの症状が継続して観察される場合は注意が必要です。逆に、風邪をひいた時や疲れた時だけ症状が見られる場合は大きな心配はありません。
問診による日常生活・睡眠状態の把握、視診(ファイバーによるアデノイドのチェックなど)、レントゲン、夜間の酸素飽和度モニターの結果などを総合して診断します。
口蓋扁桃やアデノイドの肥大が原因の場合は、手術により劇的に改善します。
アレルギー性鼻炎などで鼻閉がある場合には、鼻疾患の治療も必要になります。
適切な治療のためには適切な診断が必要です。疑いがある場合は専門の耳鼻科を受診してチェックを受けましょう。
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