こころ・疲れ ママの病気・健康 教えて!ドクター
待望のベイビーは元気で貴女の目の前にいる。でもどうして?涙が止まらない。旦那さんにも辛く当たってしまう。「放っといてよ。わたしが一人で生んだのよ」…いわゆるマタニティー・ブルーは80%ぐらいのママが経験します。
原因は、胎盤娩出による、ホルモンの急激な血中濃度の低下が主だとされていますが、そもそもお産とは大変な重労働。育児は待ったなしですし、授乳のために細切れ睡眠にもなります。生理的にも心理的にも必然的に訪れるマイルドなうつ状態なのです。
ハッピーであるはずでそうあらねばならないと思ってはいけません。さらにそのギャップに苦しむだけだからです。それに、育児をママが一人で抱え込まないこと。たいていの場合は数週で自然に改善されます。
産褥期うつ病との鑑別は微妙ですが、マタニティー・ブルーが長期化する場合や、育児に対してあまりにネガティヴな感情が支配している場合は、メンタル系の医師に相談するべきです。
ウィニコットという小児科出身の精神分析家が提唱した概念です。日本語では、『ほどよい母親』とか『ほぼよい母親』と訳されています。ひとにより解釈は様々ですが、総じていえば、子どもに対して、ママは理想的になってはだめ、ということになるでしょう。
つねに転ばぬ先の杖を用意していると、子どもは、転ぶことも、転ばないように注意することも学びません。たとえば、子どもが泣く前につねにオッパイを与え続けてゆくとどうなるでしょうか。泣くことが言葉の原初的あらわれだとしたら、この子には言葉は必要のないものとなってしまうでしょう。
ぐうたらママとまでは言いませんが、適当に手抜きをするママぐらいにした方が、子どもの成長のためにも良いのです。
●マタニティー・ブルー
maternity blues(ブルーズと発音します)という言葉もありますが、baby bluesの方が一般的で、フランス語でもドイツ語でもベイビー・ブルーズで通ります。フランスでは『3日目症候群』とも呼ばれていますが、必ずしも分娩後3日目に症状が現れるとは限りません。初日から3日目の間でしょう。
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