アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
秋はぜんそく発作のシーズンです。今回は小児のぜんそくという病気についてお話します。
ぜんそくは咳やゼイゼイ、ヒューヒューを繰り返す病気です。早い人では乳児期から、多くの人は1〜3歳頃から発症します。年間を通じると特に秋、また春先や梅雨時に症状が出やすく、1日の中では夕方や夜間、それに朝方に症状が出やすいのが特徴です。さらに小児のぜんそくは、カゼをひいた際にも症状が出やすく、カゼをひくたびに咳が長引いたり、ゼイゼイ、ヒューヒューしやすいお子さんはぜんそくの可能性があります。なかにはカゼのたびに「気管支炎」と診断されているお子さんもいますが、ぜんそくは気管支炎のような感染症と違い、うつる病気ではありません。
小児のぜんそくの多くは、アレルギー体質を持つお子さんが、身の回りのダニ(チリダニ)やホコリ(ハウスダスト)、カビ、動物のフケなどのアレルギーの原因物質(アレルゲン)を吸入し続けることによって発症します。小児のぜんそくは近年増える傾向にあり、その原因として家屋構造の変化に伴うダニの繁殖、大気汚染、食生活の変化などが考えられています。また、最近のペットブームの影響でネコやイヌ、ハムスターなどが原因でぜんそくになるお子さんもいます。ぜんそくでは空気の通り道、すなわち気道が敏感になり、タンが出やすくなったり収縮しやすくなったりします。実際に気道が収縮し、タンや咳が出たり、ゼイゼイ、ヒューヒューするのがぜんそく発作です。
最近では吸入ステロイド剤をはじめとして、種々のお薬が治療にもちいられ、ぜんそくのコントロールは以前と比較してだいぶ良くなりました。しかし、お薬を使用する以前の問題として、小児のぜんそく治療においては身の回りにあるダニ、ホコリなどのアレルゲンを減らすという環境整備が大切です。そのための具体的な掃除メニューとして
①寝具類は1〜2週に1回1平方メートルにつき20秒以上の時間をかけて両面を掃除し、晴れた日には天日干し後に掃除機をかける。
②寝室は可能な限り毎日掃除機をかける。カーペットの部屋は3日に1回掃除する。
③収納していた毛布類は、使用前に天日干しにし、掃除機をかける。
④布団シーツ・カバー類は少なくとも1週間に1回は洗濯をする。
⑤衣類や布団用の乾燥機は、殺ダニ効果があるので利用する。
⑥換気に努める。また空気清浄機などでアレルゲンを抑制。
⑦梅雨明けに大掃除をする。
などがあげられます。
幸い、小児のぜんそく患者さんの多くは大人になる前に改善します。普段から根気良く治療に取り組むことが大切です。
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