発熱、かぜ 子どもの病気 教えて!ドクター
かぜはウイルスの呼吸器への感染で起こる病気です。ウイルスというのは、電子顕微鏡レベルでしか見えないとても小さな病原微生物で、人の鼻や口を通って入り込むと、体内で増殖していろいろな悪さをするのです。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、痰、のどの痛みといった局所症状に加え、しだいに頭痛、発熱、だるさや食欲不振、といった全身症状に苦しめられることになるのです。
抗ウイルス薬というのは、インフルエンザなどごく一部のウイルスに対してしか見つかっていないのが実情です。ですから、風邪の治療としては、不快な症状によるストレスを和らげるために、『対症療法』(咳や鼻水といった症状に対する治療)を行うことと、細菌による二次感染を起こさないための『合併症予防』をすること。薬でできるのはそれしかありません。だから予防が大事なのです。
①近づかない
人ごみを避けること。かぜが流行する時期、人が多く集まるところには当然かぜの人もいることを常に意識しましょう。人ごみで疲れるとかぜをひきやすくなります。
②侵入を許さない
できるだけウイルスを体内に入れないこと。咳1回で約10万個のウイルスが、くしゃみ1回で約200万個のウイルスが数メートル先まで飛び散り、空気中を浮遊しています。 マスクはウイルスの侵入を約3割減らします。のどに湿り気を与える効果もあり、かぜを流行させないためにもマスクは有効でしょう。
さらに、マスクをすり抜けてきたウイルスは、気道粘膜に定着する前にうがいで吐き出してしまいましょう。ウイルスは気道粘膜に取り付くと、約20分で細胞の中に取り込まれ増え始めます。帰宅後すぐにうがいしましょう。またウイルスのついた手で鼻や口に触るのも感染経路のひとつなので、手洗いも大事です。
ちなみに私自身もうがい手洗いを徹底していると、日に何人ものかぜの患者さんと至近距離で接していても、かぜをひきません。
③かかっても重症化させない
これからの寒いシーズンに流行するかぜのウイルスは、低温乾燥を好みます。つまり身体を冷やさないことと部屋を十分加湿することは、大変効果的です。かかってしまったかぜ(ウイルス感染症)の治療の基本は安静、保温、水分補給(水、お茶、イオン水)の3つです。十分な睡眠もかぜを長引かせないためには大事です。咳や鼻水が睡眠をそこなうようなら、受診しましょう。
かぜは万病の元、とも言います。あなどることなく、軽いうちに早く治しましょう。
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