皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
夏は赤ちゃんのお肌にとって、さまざまなトラブルを起こしやすい要因がそろった季節です。
なかでも最大の要因のひとつが、汗。いわゆる「あせも」や、「あせものより」(あせもにブドウ球菌が感染してさらに悪化した状態)、そして「とびひ」(あせもや虫さされなどのかゆい部分をかいた手で他の箇所に触れることでおこる皮膚感染症)などを起こしやすくなります。
また、おむつかぶれやカンジダ性皮膚炎なども、ジメジメした梅雨の時期から夏にかけて多いトラブルといえるでしょう。
こうした肌のトラブルを最小限に抑えるためには、まず汗などをしっかりと洗い流し、清潔を保ってあげることが大切。ところが、洗い方やその後のケアの方法を正しく理解していないことで、かえってトラブルを悪化させてしまうお母さんも意外に多いのです。
汗をしっかり洗い流そうとして、肌に必要なうるおいまで洗い流してしまうのはNG。肌にやさしい洗浄剤などを使い、しっかり泡立てて、優しく包み込むように洗ってあげてください。イラストに挙げたように、洗い残しやすい部分は特に気をつけましょう。
また、夏だからといって保湿ケアを怠るのもNGです。乾燥する冬に比べると、赤ちゃんの肌はうるおっているように感じますが、しっかりと洗った後の肌は夏でも乾燥しがち。さらにエアコンの効きすぎた部屋に長時間いたり、日焼けによって水分を失われたりしている場合は、冬と同等のうるおい補給が必要になってきます。
日中はのびがよくてサラッとしたローションタイプで、お風呂上がりはより保湿効果の高いクリームタイプの保湿剤を使うと良いでしょう。お風呂から上がったら、できるだけ水分を逃がさないよう、10分以内にケアしてあげてください。保湿剤を手にとって塗ると、手のひらの凹凸で塗りムラができやすくなるので、塗りたい箇所に少しずつ置いてから、同心円状に塗っていきましょう。
スキンケアは、肌をトラブルから守るだけでなく、全身の健康保持にも役立っていることをご存じでしょうか。
ヒトの体は全身を皮膚に覆われています。そして夏になると、表に出る皮膚の面積が大きくなり、さまざまな外部刺激にさらされる機会も増え、これが健康に大きな影響を及ぼすことも多いのです。
わかりやすい例を挙げると、日焼けをした後に風邪を引いたり、ヘルペスができたりする人がいます。これは、肌のバリア機能が弱まることにより、全身の免疫力が低下することが原因。つまり、しっかりとしたスキンケアは、全身の免疫力を高め、さまざまな病気を防ぐことにもつながる、というわけなのです。
また、スキンケアは大切な親子のコミュニケーション。ぜひ基本的な生活習慣に取り入れてほしいものです。いい習慣はお母さんから子どもへ、さらにはその子どもへと代々受け継いでいきましょう。
外で過ごすのが楽しい、夏の到来です。太陽の下で元気に遊ばせてあげるためにも、UV対策・洗浄・保湿のスキンケアをしっかりとしてあげてください。
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