アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
こどものスギ花粉症は増えています。近年では、3歳のスギ花粉症は珍しくありません。スギの飛散は2月からが一般的です。そして、晴れて風の吹く日には、特にひどくなります。雨の日には症状はあまり見られないのが特徴です。
カゼも引いていないのに、急にくしゃみや透明な鼻みずがどっと出たり、鼻を絶え間なくこすったり、目が赤くなり擦るなどの症状が出たら、要注意です。小児科、耳鼻科、アレルギー科、などにつれていきましょう。
お薬は抗ヒスタミン薬の内服がまず第一の治療です。必要に応じて点鼻薬、点眼薬をあわせて使用します。症状が治まりにくいときは、近年小児用フルナーゼ点鼻薬という、小児でも安全に使用でき、効果の高いお薬も認可され、治療の幅が広がりました。また、眠くなりにくい、第2世代の抗ヒスタミン薬のドライシロップも認可され治療もやりやすくなりました。
お薬による治療も大事ですが、まずなんと言っても花粉対策をしっかりしてあげることが、ポイントです。この時期は布団、洗濯物は外に干してはいけません。ピーク時には1日で1平方mの面積に数10万から数百万の花粉が落下します。そのようなときに物を戸外で干せば、花粉まぶしになります。花粉だらけの布団で寝たり、花粉まぶしの衣類を着たりすれば、どんなに良いお薬を使用しても、効き目はあまり期待できないでしょう。
こどもは日中、学校の校庭、保育園や幼稚園の園庭で遊ぶ時間が長いため、大人よりスギ花粉の暴露量は多い場合もあります。こどもに外で遊ぶなというのは酷です。マスクをするのも嫌がります。こどもは他の子と違うことをするのを嫌がります。それはおとなにはとても理解できないくらいのこともあります。
このような場合には、可能であれば外遊びの前(20分くらい前)にお薬を飲ませたり、点鼻薬、点眼薬を使用し、極力症状を抑えるようにしましょう。
抜本的な治療法は減感作療法です。スギのエキスを薄めたものを、週に1—2回、注射して、体の中にスギ花粉に対する抗体を作るものです。1種のワクチン療法ですが、1回の注射で免疫がつくワクチンとは異なり、1—2年は続けなければなりません。長期間かかるという点と子供は注射をいやがるために、どうしてもという場合に行います。
近年、舌下減感作療法が話題になっていますが、これは現時点では日本ではまだ保険適用になっていません。もう少し時間がかかると思われます。それまでは、飲み薬や、点鼻薬、点眼薬をうまく組み合わせて使用し、花粉対策をしっかり行うことがお勧めです。
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