アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
子供の花粉症は増えています。春のスギ花粉症は有名ですが、近年では夏のイネ科や秋のブタクサなどのキク科の植物による花粉症も、よく見られるようになりました。花粉症は3歳以降ではありふれた病気になりました。
花粉症の症状は、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎です。アレルギー性鼻炎の症状は、突然の透明な鼻水や連発するくしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみなどです。アレルギー性結膜炎の症状は目が真っ赤に腫れ上がるとか涙が出るというものです。
アレルギー性鼻炎とカゼは区別しにくいものです。症状は一見似ています。カゼでは鼻水が黄色くなったり、トロッとしてきます。アレルギー性結膜炎では目やにはあまり出ませんが、目がかゆいためにゴリゴリ掻いてしまうと、2次的に細菌感染を起こし、目やにが出てきます。
大人の花粉症と異なり、子供は花粉症になっても、自分で症状をあまり訴えないのが特徴です。横で見ているとひどそうでも、本人はケロッとしています。
子供が症状を訴えないからといって放置しておくと、症状がどんどん進んでしまう場合も少なくありません。やはり子供の花粉症は保護者が注意して、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎の症状がないかどうかをチェックしておく必要があるでしょう。チェックのポイントとしては、今述べたような目とか鼻の症状が基本的には晴れた日に出るのが特徴です。雨の日には花粉は飛ばないからです。またその際に風邪をひいていないかどうかをチェックすることも重要です。
花粉症の治療にまず最初に用いられるのは、抗ヒスタミン薬の内服です。従来の古いタイプの抗ヒスタミン薬は、現在では第1世代の抗ヒスタミン薬と呼ばれています。それに対して近年開発されている抗ヒスタミン薬は、一般的に眠気が少ないものが多いといわれています。これらを第2世代の抗ヒスタミン薬といいます。
第2世代の抗ヒスタミン薬の中にはほとんど眠気を催さないものもあり、子供の学習の妨げにならないという利点もあります。またこれらの薬は数カ月間使用しても、まず安全であるために、小児にもよく使用されます。
もしお子さんが嫌がらなければ、点鼻薬や点眼薬も有用です。飲み薬と異なり、直接症状が出ている鼻の粘膜や目の結膜にお薬を入れることができるので、正しく使用すればかなり効果が期待できます。
点鼻薬で注意しなければいけない点はその使用方法です。点鼻し、すぐ下を向くと、せっかくのお薬が鼻からこぼれてしまいます。正しいさし方をお医者さんから指導してもらいましょう。
これらのお薬が効かないときには、近年小児用フルナーゼといって小児用のステロイドの点鼻薬が認可されました。私たちが数年前にスギ花粉症の時期に行った大規模調査で、かなりの有効性と安全性が示されました。正しく使用するとよいお薬です。
お子さんは自分で症状を訴えないために、保護者の方、とくにママはお子さんの目や鼻の症状をスギ花粉の季節だけではなく、夏や秋にも注意しておく必要があるでしょう。
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