発熱、かぜ 子どもの病気 教えて!ドクター
咳は、のどに異物が侵入したり、炎症が起きたりした場合に、異物や分泌物を気道から取り除くために起こる身体の防御反応のひとつです。埃っぽいところでは反射的に咳が出ます。冷気や刺激性ガスやアレルギー物質などに接すると、くしゃみや鼻水と共に咳が出ます。咳が出るから必ず病気があるとは限りませんが、呼吸器の病気で起きる場合が多いので、咳の出る状態を注意して観察しましょう。
咳には、痰を伴わない乾いた咳(乾性咳)と痰を伴う湿った咳(湿性咳)とが区別されます。健康な小児でも年に5〜6回以上、ウイルスによるカゼ症候群にかかります。カゼで起きる咳はコンコンと乾いた咳で、1週間くらいで自然に治まるのが普通です。しかし、いつもの風邪とは違って、咳が激しく、長く続く場合には他の呼吸器疾患を考えなくてはいけません。
気管支炎や肺炎になると膿性の痰と共にゼーゼーという喘鳴を伴う湿性咳が出ます。気管支喘息では気道が狭くなり、空気の通りが悪くなるために息が苦しくなり、ヒューヒューと笛の鳴るような喘鳴がします。ただし、小さな子どもの場合では、もともと気道が細いので、風邪をひいただけでゼーゼーすることもあります。突然、喘鳴に伴って呼吸困難を起こした場合は、気道に食べ物や異物が入った可能性があります。この場合は、生死に関わりますから一刻も早い受診が必要です。
副鼻腔炎(蓄膿症)があると、後鼻漏といって鼻汁がのどに廻って気管の中に吸い込まれるために咳や痰が続くことがあります。副鼻腔炎には気管支炎や気管支喘息を合併することもありますから、咳が続く場合には耳鼻咽喉科で鼻も診てもらうことが必要です。近年、アレルギー性鼻炎が増加し、小児でも花粉症が多くなっています。アレルギー性鼻炎で鼻が詰まっていると、口呼吸によってのどを痛めるために咳が出やすくなります。
家庭では生活環境に配慮が必要です。タバコを吸う家庭の子どもは、風邪にかかりやすく、気管支炎や気管支喘息になりやすいといわれています。空気の乾燥や冷気はのどに悪影響を与えますから、保温と保湿に気を配りましょう。十分な栄養、運動、睡眠、精神的安定は最も基本的なことです。
咳はさまざまな原因で起こります。「風邪だと思っていたら他の病気だった」ということも少なくありませんから、軽い症状のように思えても、長引くときには、早めに医療機関を受診してください。
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