おたふく 予防接種 教えて!ドクター
耳の下や顎の下などの唾液腺が腫れて痛がる病気です。ウイルス(パラミクソウイルス)が原因で、唾液を含むくしゃみ、咳や会話などの際に感染します。潜伏期間は約2〜3週です。たいてい左右とも腫れますが、片側だけのこともあり、また約3分の1の例では腫れが目立たない例(不顕性感染)もあります。通常、熱は3〜4日で落ち着き、腫れは約1週間でひきます。免疫のない乳幼児ではしばしば流行します。
特別な治療法はありません。腫れがひどく、痛みがひどい際には局所を冷湿布や保冷剤などで冷やしてください。発熱している場合には一般的な解熱剤(アセトアミノフェンなど)で対応します。発熱時には入浴を控えてください。食物は痛みが強くなる硬いものは避け、噛まずに飲み込めるものを与えます。また唾液の分泌がます酸味のある物も控えてください。局所の痛みが強い際には鎮痛剤を使うこともあります。
おたふく風邪は腫れが出現する数日前から、腫れがひく約1週間後まで他の子供にうつります。腫れがひくことが人にうつさない時期の目安になりますので、約1週間は休ませましょう。
おたふく風邪の合併症は、5〜10%に無菌性髄膜炎(頭痛、嘔吐を伴う髄膜の炎症)、1/5000例に脳炎(痙攣や意識障害を伴う脳の炎症)、1/15000例に治療が困難な難聴を合併します。思春期以降の男性では約20%に精巣炎を合併しますが、男性不妊になる例はまれです。このように中枢神経系に合併症をきたし易いのがおたふく風邪です。
唯一の予防法はおたふく風邪ワクチンの接種です。接種により約90%の例で免疫がつき、感染しません。残念ながらおたふく風邪の児と接触した後にワクチンを緊急に接種しても発症を阻止することはできません。感染していない時に予防接種を受けてください。おたふく風邪の感染の既往のないパパやママでは感染する場合があります。心配な時はかかりつけの先生に相談しておたふく風邪の抗体検査を受けてみてください。
左右両方の耳下腺は他のウイルス(サイトメガロウイルス、エンテロウイルス等)でも腫れることがありますが、ほとんどはおたふく風邪が原因で腫れます。片側の腫れは細菌、耳下腺管閉塞(狭窄)や腫瘍でも起こります。特に反復して片側が腫れ、数日で回復する場合(反復性耳下腺炎)はおたふく風邪が原因ではないことが多く、初期の区別は困難です。
②頭痛が強く、嘔吐を伴うとき。③1週間たっても腫れが引かないとき。④熱が5日以上続くとき。④耳の下の腫れ(耳下腺)が赤くなってきたとき。⑤睾丸を痛がるとき。
このようなときにはかかりつけの先生にすぐに診てもらってください。
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