皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
すべすべとした赤ちゃんの肌。でも実は、表面の水分と油分はとても少なく、乾燥しているということを知っていますか?
生まれたての赤ちゃんは、たっぷりとした「胎脂」に覆われています。これは、羊水の中から空気の中へと環境が変化することによって赤ちゃんが脱水症状を起こさないために出るもの。ところが皮脂は、生後2カ月を過ぎた頃から出なくなってしまいます。左のグラフからもわかるように、皮膚を乾燥から守ってくれる皮脂の量は急激に少なくなり、思春期を迎えるまでの10数年間、活発な皮脂分泌は行われません。
さらに、赤ちゃんは汗っかき。小さなからだに大人と同じ数の汗腺があり、体温調整を発汗に頼っています。ところが皮脂が少ないため、汗そのものが皮膚に悪影響を与えてしまうのです。
皮脂の分泌が少なく、皮膚が未熟な赤ちゃん。実は、この段階でどのように皮膚と向き合うかが重要ポイントです。肌は鍛えれば強くなるものでもなく、いたわってあげたほうがトラブル防止につながるもの。赤ちゃんのときこそ、皮膚の未熟さを補うためのスキンケアが大切なのです。
スキンケアは「やさしく洗ってしっかり保湿」が基本。まずは汗や汚れを早めに洗い落とすのがポイントです。洗浄料は肌にやさしい弱酸性タイプで、比較的泡立ちのよいものを選びましょう。
しっかり洗うと、肌にとって必要な脂分まで落としてしまうこともあるので、洗浄の後は必ず保湿をしましょう。夏はローションタイプ、秋や春は乳液タイプ、冬はクリームタイプと、保湿剤は季節や肌の状態によって使い分けるのがポイント。たとえば9月はまだ暑いですが、急に乾燥し始めるので、徐々に冬型のスキンケアに切り替えてもいいでしょう。
「やさしく洗ってしっかり保湿」というスキンケアの基本は、ママの肌のお手入れと同じ。でもママたちの中には「自分が赤ちゃんのときには保湿なんてしなかったから、赤ちゃんには必要ない」と思っている人もいるようです。
ところが、ママたちが赤ちゃんだった頃と今では、環境がずいぶん変わってきています。花粉やダニ、ハウスダストなどアレルゲンの量が増えている現代、「自然に任せるのが健康」とはいいきれません。赤ちゃんの肌はママが守ってあげる時代なのです。
実は、保湿のためのベビーマッサージには、スキンケア目的以外にもメリットがたくさん。ママの優しい手によるタッチ・ケアは、赤ちゃんの健やかな成長につながるのです。楽しい時間を過ごしながらのスキンケアで、赤ちゃんの肌をトラブルの少ない健康な肌へと導いてあげてください。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう