健診・かかり方 子どもの病気 教えて!ドクター
子どもは漢方なんてのめないよとか、長くのまないと効かないとかいわれることがありますが、実は漢方は上手に使うとのみやすく、即効性のある薬です。小児は大人と比べて体温が高く活動性も高いのが普通です。これは病気に対する反応が強いことを意味し、そのため容易に高い熱を出し、また治りやすいのです。漢方は本来の防衛反応を最大限に引き出すように作られ、その人の状態や体質に合わせて薬を選ぶことができます。今回は、これからの夏の季節に役立つ漢方薬の上手な使い方を紹介します。
かぜ薬で下痢しやすいような胃腸虚弱の子どもにはおなかに優しい漢方薬がいいですね。さらに長く使っていると体質が改善されて胃腸が丈夫になることも期待できま す。六君子湯は消化力が低下したときに使われます。補中益気湯はその名の通りおなかを補って元気を益すため、夏バテの薬として大人にも好んで使われます。
元気な子は熱を出しても食欲があるし汗も出ない。そんなときは麻黄湯か葛根湯。かぜの初期で熱が出て汗が多いときは桂枝湯。元気がない子に香蘇散。何日か経って食欲低下してきたら小柴胡湯。体が冷えて水のようにうすい鼻水を出すときは小青竜湯がおすすめです。
湿った感じで赤く熱っぽいあせもには越婢加朮湯。長期の体質改善には黄耆建中湯がのみやすくて人気です。じくじくときたない汁が出るような湿疹には消風散や治頭瘡一方。全身真っ赤で熱を持った時は白虎加人参湯。かゆくてイライラしたら、苦いですが黄連解毒湯が効きます。
おなかを冷やして下痢する子、ふだんから顔色良くないときは人参湯。嘔吐下痢でのどが乾くときは五苓散。かぜの下痢でおなかを痛がるときは小建中湯を試しましょう。
漢方薬は薬局でも買えますが、漢方の得意なお医者さんに処方してもらうと安心ですね。副作用も軽い場合が多いですが、ないわけではありません。のませ方はエキス剤をお湯にとかしてたっぷり味を付けてください。とけにくいときは電子レンジで加熱して、とけた上澄みだけのませても有効です。赤ちゃんには少量のお湯でねってから口に入れ、すぐにミルクを飲ませるという方法もあります。漢方を上手に使って夏を元気に過ごしましょう。
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