耳鼻咽喉 子どもの病気 教えて!ドクター
風邪から中耳炎を併発することは多い。
でも風邪の症状と似ているので見逃さないよう気をつけて!
鼓膜の奥には鼓室という空気の部屋があり、耳管という細い管を介して鼻とつながっています。中耳炎とは鼓室レベル(中耳)に炎症を起こすもので、多くの場合、鼻を中心とした上気道の炎症が中耳腔まで広がることが原因です。
中耳炎には2種類あります。1つは耳が痛くなる「急性中耳炎」、もう1つは「滲出性中耳炎」といって耳は痛くないけれど程度によって聞こえが悪くなるものです。急性中耳炎は急性の炎症が中耳に起こり、鼓室内に膿をためたり鼓膜を外へ圧迫したりします。滲出性中耳炎は、急性中耳炎が治りきらない場合、もしくは慢性の軽い炎症が中耳に影響をもたらす場合に起こり、鼓室内に滲出液がたまったりします。
①耳の痛み・耳だれ
急性中耳炎の代表的な症状。中耳に炎症が起こることによって神経が刺激をうけたり、中耳にたまった膿などが鼓膜を膨張させることによって起こります。程度がひどい場合は、鼓膜が破れて膿が外へ出ることもあります。
②難聴
急性中耳炎・滲出中耳炎の両方で見られる症状。やはり中耳の炎症やたまった膿などが原因で、鼓膜や耳小骨の動きが悪くなることによって起こります。程度が軽いと見た目で分かりにくいこともあります。
③発熱・耳閉感など
なかなか下がらない熱の原因が急性中耳炎だった、ということもあり風邪のときほど注意が必要です。また耳の不快な症状に「耳がふさがったような感じ」とか「自分の声が耳に響く」といったものもあります。
● ママが病気を理解しておこう
中耳炎にかかりやすい年齢は3〜6歳。いろんなことを聞いて覚える時期に重なるので、ママが病気を理解し、子どもの耳を定期的にチェックし、早く気づいて対処することが重要。入浴は熱がなければ大丈夫ですが、あまりに温まりすぎないようにして、湯冷めする前にお布団へ。洗髪は主治医の先生に相談してください。耳の痛みや熱があるときは運動を控えましょう。滲出性中耳炎の場合はプールに入らないほうがいい場合があるので、主治医の先生の指示に従ってください。
● 鼻水が出だしたら早めに耳のチェックを!
中耳炎の多くは、鼻を中心とした上気道の炎症が中耳腔まで広がることが原因。普段から「鼻をすすらない」「鼻を強くかまない」ようにし、鼻水が出だしたら早めに病院に行きましょう。
● 中耳炎になってしまったら、きちんと治るまで通院
急性中耳炎では早くても1週間、滲出性中耳炎では数カ月から年単位の治療期間が必要なことも。「痛みがなくなった」「聞こえていそう」といってママの判断で通院を中断するのはいけません。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう