花粉症 ママの病気・健康 教えて!ドクター
花粉症はアレルギー性疾患の一種。人間は免疫力を持っていて、外からの異物が体内に入ると、これを攻撃するために「抗体」という物質を作って対抗しようとします。アレルギーとは、再び同じ異物が入ってきたときに抗体が過剰に反応し、身体に悪い影響を及ぼしてしまう症状のことです。
花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの鼻炎症状。目のかゆみや充血、涙目といった目の症状を伴うケースもあります。人によっては、咽頭炎や喉頭炎など上気道に炎症が起きて、ノドにかゆみや痛みを伴ったり、さらに悪化するとぜんそくのような症状を引き起こし、ひどく咳き込む場合もあります。
花粉症の原因となる植物の種類は数多くあります。発症例がもっとも多いのは、スギ。花粉の飛ぶシーズンは早春(2~3月)、もっと長期にわたることもあります。そのほかにも春はヒノキやカバなどの樹木、夏はカモガヤなどのイネ科植物、秋はブタクサなどの雑草が原因となります。
花粉症は統計的に見ると、比較的、女性のほうが多く発症しています。気になるのは妊娠時の発症。もともと妊娠中は身体の免疫力が低下し、ホルモンバランスも大きく変化することから病気になりやすいし、体質が変わってしまうことも。花粉症などのアレルギー性疾患が発症したり、症状が悪化してしまう人もいれば、逆に軽快してしまう人もいます。
妊娠中は赤ちゃんに十分な血液を送るために、母体の循環血液量が増加。そのため身体のいろいろな場所にうっ血が生じやすく、鼻もうっ血性の鼻炎を起こす頻度が高くなります。妊娠してから鼻炎を起こした人は、花粉症もひどくなる可能性があります。おなかが大きくなり、身体の循環血液量がピークに達する32週以降は、花粉症を発症しやすく、症状が強くなる傾向も。くしゃみが続くとおなかも張りやすくなるので、注意が必要です。
妊娠中に花粉症にかかっても、胎児への影響は特にありません。ただ切迫早産のケースでくしゃみが続いたときは、腹圧がかかっておなかが張りやすくなる傾向があります。
一方、花粉症の症状を緩和させるために薬を使用する場合は、妊娠の時期や薬の種類によって胎児に影響する可能性が出てきます。薬は産婦人科の主治医とよく相談して使うのが望ましいでしょう。
花粉の多い日にはできるだけ外出を控え、風のある日は窓をきちんと閉めて花粉に触れないことが大切です。どうしても外出が必要な場合は、マスクと眼鏡、つばの広い帽子などを着用し、鼻と口、目をしっかりガードしましょう。外出から帰ったら、衣類についた花粉は外で払い落とし、すぐにうがい、手洗い、洗面をすること。目の症状が強い人は、処方された目薬や生理食塩水で目を洗うのがオススメです。入浴して、身体中の花粉を洗い流してから部屋に入ることもいいでしょう。
何よりも大切なことは、ほかの病気予防と同様に、十分な睡眠時間と栄養バランスを考えた食生活、規則正しい生活です。
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