インフルエンザ 予防接種 教えて!ドクター
冬になると、インフルエンザが流行し、心配なママも多いはず。
発熱や嘔吐、下痢など症状はさまざま。
でも、どうしてインフルエンザにかかるの?
お家でもできる予防法って、どんなこと?
お子さまを守るママにお役立ちの情報、紹介します。
インフルエンザは主に、A型とB型が毎年冬になると流行します。インフルエンザウイルスは増殖がとても速く、感染してから2〜3日以内に発病。体の中にある免疫はすぐにウイルスを制圧できず、その結果、発熱や咽頭痛、全身倦怠、咳、鼻水、下痢などさまざまな症状が続くことになります。
咳や鼻水は気道から、下痢は消化管からウイルスを追い出す行為だと思ってください。さらに発熱は、インフルエンザウイルスが血液の中に侵入するのを防ぐための、非特異免疫というものによって起こるものです。少しずつウイルスを撃退する「抗体」やウイルスが感染した細胞を破壊する「キラーTリンパ球」(特異免疫)が作られると、非特異免疫、つまりインフルエンザの症状は軽くなっていきます。
インフルエンザワクチンは、ウイルスの構造物の一部を精製したもので感染力がなく、3種類の流行予測株(Aソ連型とA香港型とB型)に対する抗体は作りますが、キラーTリンパ球はできません。抗体は血液中や細胞の間のパトロールをする免疫で、感染細胞の中には入れないので、抗体だけでは感染を終結できません。さらに、低年齢では抗体のでき方がよくありません。したがって、ワクチンを接種しても感染して発病する場合があります。しかし、抗体の生産ラインがあるので抗体は急速に増えます。一方、抗ウイルス剤は、ウイルスが細胞内で増殖するのを抑制したり、細胞内で増殖したウイルスが周辺の細胞に感染するのを阻止するので、キラーT細胞が処理すべき感染細胞が減少。つまり、抗ウイルス剤はワクチンの免疫学的弱点を補うことでインフルエンザを軽く短く済ませます。
●お家でできるインフルエンザ予防
感染防御の原則は「インフルエンザウイルスを入れない、入ったら素通りさせる」ことです。まず、暴露する機会を減らします。「不用意に人ごみに入らないこと、部屋の換気をよくすること」です。「うがいや手洗い」も大切です。次に、鼻詰まりを避けます。口呼吸でのどが乾燥すると感染しやすくなりますから、「マスクや蒸タオルで鼻や口に湿気を確保」します。さらに、嚥下される分泌物にもウイルスは存在し腸にも忍び込みます。唯一のウイルス撃退法は下痢ですから、「決して便秘しないこと」も大切です。水際作戦として「流行前にワクチンで抗体を獲得」しておきます。かかった場合も、「早めに抗ウイルス剤を服用」して「キラーTリンパ球の負担を軽減」すると軽く短く済みます。しかし、予防接種をしても、抗ウイルス剤を飲んでも、基本的な感染防御を忘れると効果は半減します。
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